店員さんを質問責め
わたしがまごまごしていると、彼の方から店員さんに質問。
彼の購入した住宅は、どうやら南向きではないらしい。でも、光をさえぎる障害物がなにもなく、日は一日中当たるのだとか。今まで、彼の家がどっち向いているかなんて、わたしは気にしていなかったことに気がつく。ちょっと、恥ずかしくなってしまった。
店員さんが話すには、東西に屋根がある場合、南向きに比べて発電量が80%ほどになってしまうのだが、太陽光パネルを取り付けるに当たって、大切なのはどれだけパネルが設置できるか、ということらしい。
そこで聞かれた屋根の形状。ここでまた、わたしは彼の家の屋根が具体的にどんな形をしているか、思い出せないでいた。
「たしか、切り妻だったと思います。」
切り妻?
そんな言葉を知っている彼が、今まで以上に格好よく見えた。
店員さんが、屋根のイラストが描かれた用紙を取り出し、説明してくれる。
イラストで見ると、なるほど、そんな形状をしていたようにも思うけれど、他のものにも当てはまるような・・・?
太陽光パネルを設置するにあたって、切り妻屋根は適しているのだ、と店員さんに説明された。
“切り妻”屋根と見た目ではそれほど違いがないように見える“寄せ棟”は、あまりおすすめは出来ないのだとか。
切り妻屋根は2面が合わさって単純なものだけれど、寄せ棟は4面が組み合わされている。切り妻が長方形で2面に対して、寄せ棟は三角形が2面に、台形が2枚になっている。そうやって、比べて見ると、長方形に正方形のパネルを置くことは比較的考えやすく、わかりやすいのだけれど、三角形の場所に正方形のパネルを設置する、となった場合、各メーカーのパネルの大きさによって、計算も変わってくるし、無駄なスペースも増える可能性が高くなるのだ、と説明された。
そうやって説明されると、本当にわかりやすい。
わたしは彼の隣りで、一人感動していたのだけれど、彼にとってはわかりきった説明だったようですね。これって、女性と男性の違い?わたしは形を記憶するのがどうも苦手らしいし・・・。
店員さんは、今、キャンペーン中で、見積もりも無料になるので、一度彼の家を見に行きましょうか?とすすめてきた。
ちゃんと設置することを決めたわけでもないのに、来て見積もりしてもらうまでするべきか、迷ってしまう。それは彼も同じのようだった。
「まだ設置を決めたわけじゃないし、いつかするかも?っていう感じなので・・・。」
と、素直に話し、辞退しようと思うと、
「なおさら、キャンペーン中に見積もりされたら、どのメーカーが何枚乗るかの比較にもなりますし、今後検討されるときにもわかりやすいと思いますよ。」
なんて、笑顔で対応されてしまった。
タダなら、今のうちかしら?